エリン・ブロコビッチ

エリン・ブロコビッチは、映画「エリン・ブロコビッチ」のモデルとなった人物です。現在は環境運動家として、様々な地域の環境問題に取り組んでいます。正式な法律教育を受けていないにも関わらず、1993年にカリフォルニア州の大手企業パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニーを相手取って訴訟を起こし、史上最高額3億3300万ドルの和解金を勝ち取った人物として知られています。

プロフィール

1960年6月22日、カンザス州ローレンスに生まれます。カンザス州大学で学び、21歳で卒業。K-マートで働きながら電気設計技師の勉強を始めます。この時、地元の美人コンテストでミス・パシフィック・コーストに選ばれました。22歳で最初の結婚をし、その後第一子を出産します。翌年には23歳で第二子を出産します。幸せな結婚生活が続いているかのように見えますが、24歳のとき、エリンは結婚生活が原因でパニック症候群になってしまいます。26歳で最初の離婚を経験し、子供を育てるために秘書の仕事に就きます。2年後、職場の上司と再婚し、再び幸せな生活が訪れるかと思った矢先、今度は拒食症に苦しむことになってしまいます。そして29歳で2度目の離婚を経験。改名手続きの手数料すら払えない状態だったため、離婚後も夫の姓のブロコビッチを名乗ることになりました。離婚後に第三子の妊娠が発覚しますが、妊娠中に事故に巻き込まれてしまいます。子供は無事出産しますが、事故の後遺症で椎間板ヘルニアに悩まされるようになります。31歳の時に法律事務所に就職。最初は事務所の留守番電話と雑用しかやらせてもらえなかったそうです。しかし、仕事をしていく中でPG&Eの汚染問題が発覚し、解決に乗り出すこととなります。原因を調べ、環境問題の訴訟をリサーチして、住民を粘り強く説得し、集団訴訟へと運びました。結果、住民約600人に対し和解金3億3300万ドルを勝ち取りました。汚染問題発覚から5年の月日が経っていました。それから4年後の2000年に、彼女とこの訴訟をテーマにした映画「エリン・ブロコビッチ」が公開され、一躍有名になります。以降はテレビ番組に出演したり、各地の環境問題に取り組んだりと幅広い分野で活躍しています。

PG&Eの訴訟

アメリカ合衆国カリフォルニア州にて、大手の天然ガス・電力供給を行う企業「パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー」が、工場の敷地内に高濃度の六価クロム溶液を10年以上の長期に渡って大量に垂れ流しており、地域の地下水を汚染し続けていました。周辺住民に癌などの健康被害が多発したことから事件として発覚し、会社は多額の賠償金(3億3300万ドル)を支払って和解しています。これは巨額の公害賠償金支払いの最初のケースになりました。大きな関心を集めた同事件は、後にジュリア・ロバーツ主演で映画化され、エリン・ブロコビッチ本人もウェイトレス役でカメオ出演し、本人役を演じるジュリアと言葉を交わしています。監督はスティーヴン・ソダーバーグが担当し、主演のジュリア・ロバーツはこの役でアカデミー主演女優賞、ゴールデングローブ賞女優賞、英国アカデミー賞女優賞など数々の賞を受賞しました。

現在のエリン・ブロコビッチ

PG&Eの訴訟問題や、その後の映画化もあり、エリン・ブロコビッチは大変な名声を手に入れました。以後10年間は仕事に追われる日々でしたが、実はその成功の裏で様々な苦労も強いられていました。離婚した夫や、映画にも出てきたバイク野郎から慰謝料を請求され、支払いに応じなかったために訴えられたのです。また、仕事が忙しくなり家を留守がちにしてしまったせいか、長男と長女が10代でドラッグに嵌ってしまい、治療と入院のために莫大な費用が掛かったそうです。その他にも、映画を見た人から反感を買い、脅迫の電話やメールが届いたこともあったそうです。そんな世間の冷たい反応にも負けずエリンは現在、環境活動家として各地で活動しています。現在アメリカのマスコミの注目を集めている案件は、ニューヨーク州のリロイという小さな町にある高校の案件です。リロイ・ハイスクールというこの高校に通う高校生たちに、次々と身体の痙攣や顔のチック症状などが現れ、問題が発覚しました。この問題の原因は、1970年に起きた列車の脱線事故が大きく絡んでいると考えられています。この脱線した列車には約1トンもの化学物質が積まれており、脱線した際にそれが流失していたのです。列車が脱線したエリアから高校まではそれほど離れておらず、高校付近の井戸からは猛毒のトリクロロエチレンが検出されたことも分かっています。しかし、脱線事故からは40年以上も月日が経っており、なぜ今になって症状があらわれるのか、本当に脱線事故が原因なのかなどは未だ調査中なのだそうです。今後のエリンの活躍が期待されます。

戦う母の姿

エリン・ブロコビッチは、日本のテレビ番組などにも出演しているので、ご存知の方もいるかと思います。ミスコンテストで優勝したほどの美貌の持ち主で、映画でエリンを演じたジュリア・ロバーツに負けない位の美人です。三人の子供を育てながら、環境活動家として世界を飛び回っている彼女の姿は、同じ女性から見てとても憧れますし、尊敬します。私生活の方は中々うまくいかないようですが、見ず知らずの人のために戦い続ける姿勢はアメリカ国外でも高く評価されています。2回の離婚歴があるシングルマザーで無職、その上ヘルニア持ちというどん底から、3億3300万ドルを勝ち取るという偉業を成し遂げたエリンは、まさにアメリカン・ドリームを体現した人物と言えると思います。彼女が今後も広く活躍してくれることで、多くの女性が勇気を貰えることでしょう。私も陰ながら彼女を応援したいと思います。

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